18世紀中頃のフランス・ジロンドを起源とするカベルネ・ソーヴィニョンは、1996年にDNA鑑定によって親品種が特定された最初の品種です。カベルネ・フランとソーヴィニョン・ブランの交配によってできたことが判明しましたが、白ブドウから黒ブドウの子品種が生まれることは当時では珍しいと思われました。
最も古い記録は1770年ごろのもので、”Petit(小さい) Cabernet” という名前で残っています。
カベルネ・ソーヴィニョンの名前は、ソーヴィニョン・ブランと樹や葉が似ていることから命名されました。
樹勢は強く、発芽〜成熟までは遅めに推移します。砂利質で低めのph、日当たりの良い土地に適しています。エスカ、eutypa dieback、うどん粉病などのカビ病に弱く、耐寒性の強い品種です。ボルドーでは、110Rを台木として使用することが一般的です。SO4を使用した場合、果梗が乾燥しやすくなります。房と顆粒がともに小さく、皮は厚めです。
タンニンが強く凝縮感があり、長期熟成に向いたワインとなります。青ピーマン(メトキシピラジンと呼ばれる芳香物質で、徐葉によって抑えることが可能)やカシスの香りを有します。
ラグフェイズでは、以下のクローンを提供しています。
FPS47:ボルドーで選抜されたフレンチクローン337と報告されています。カベルネの中で最上級のクローンと評され、糖度が高く色調の濃い、リッチで骨格のしっかりした長期熟成に向くワインとなります。
338:ボルドーで選抜されたいわゆるフレンチクローンです。バランスのとれた味わいとなり、カベルネ・ソーヴィニョンの特性がよく現れたクローンと言われています。
LC14:オーストラリアのカベルネの代表的な生産地であるラングホーン・クリーク(Langhorne Creek)で選抜されたクローンです。成熟のタイミングは遅めです。熟したブラックフルーツの香りを含みます。
CW44:オーストラリアのカベルネの代表的な生産地であるクナワラ(Coonawara)で選抜されたクローンです。収量が低く、質の高いワインになるとの評判です。成熟のタイミングは中程度です。ミントの香りを含みます。