ヨーロッパブドウは、-17℃前後で凍死すると言われていますが、ハイブリッド品種には-25℃から-30℃まで耐寒性があります。北海道の西部は降雪量が多く、ブドウの樹が雪に覆われるので凍害が発生しにくい一方、東部では積雪が少なく、ヨーロッパブドウは被害に遭うリスクが高いようです。これを克服するためにも、秀逸なハイブリッド品種の導入が重要です。さらに日本で農薬の使用量を減らすためには、ベト病耐性の強化は喫緊の課題です。
ヴィダルは、1930年代にジャン=ルイ・ヴィダルによって作出された、トレッビアーノ・トスカーノとレイヨン・ドールの交配によるハイブリッド品種です。元々はコニャックを作るために作出しました。現在ではフランスで見かけることはほとんどなくなりましたが、カナダ(特にオンタリオ州)、スウェーデン、アメリカ東海岸(ヴァージニア、ニューヨーク、ミズーリ)などで多く栽培されています。
花振いが起きやすく成熟の速さは中程度で、長細い房に小粒のブドウがなります。耐寒性に優れ、ベト病耐性がある一方、うどん粉病や灰色かび病には弱いとされています。
高い酸度と糖度が特徴で、遅摘みワインやアイスワインに適しています。カナダのオンタリオ州などでは、-8℃以下に気温が下がった時にブドウを摘み、プレスすることで果汁を凝縮させます。
ラグフェイズでは、2024年よりヴィダルFPS 01.1をリリース予定です。