ガルナッチャ(グルナッシュ)の親ブドウ品種が特定されていないのと同様に、バスタルド(私生児の意味)の親ブドウ品種も特定されていないと思っていました。
しかし、バスタルドはフランス・ジュラ地方産のトゥルソーだということがDNA検定により判明し、トゥルソーの片親は同じくジュラ地方のサヴァニャンであると分かりました。ソーヴィニヨン・ブランやシュナン・ブランとは兄弟関係にあります。ジュラの品種がどのようにしてポルトガルに渡ったかはミステリーですね。
先日、1927年のバスタルドで作られたマデイラ酒を飲みましたが、95年の年月を経た酒精強化ワインから品種の個性を感じることはできませんでした。バスタルドは色調の濃い黒ブドウです。ほとんどのマデイラ酒は白ブドウから作られ、エッジにグリーンなトーンが残っていますが、バスタルドのマデイラ酒のエッジはオレンジ色に近く、黒ブドウであることをほのかに主張していました。