フランスの医学博士ピエール=マリー=アレクシス・ミラルデ(1838-1902)は、ハイデルベルク大学とフライベルク大学で学び、後にストラスブール大学、ナンシー大学、ボルドー大学の植物学教授となります。1874年からは、フィロキセラとの闘いに関する研究の一員となり、ヨーロッパのブドウ樹をアメリカの台木に接ぎ木するというアイデアを考案しました。フィロキセラからヨーロッパのブドウ栽培を救った人物の一人です。
ボルドー大学では交配種の育種に取り組み、シャルル・ド・グラッセとともに多くの台木を作出し、Millardet et de Grassetと命名されました。420A、101-14などがよく知られています。


また、シャトー・デュクリュ=ボーカイユのブドウ畑で、硫酸銅をかけたブドウ樹だけが生き生きとしていたことから、ベト病に対する治療法を偶然発見しました。水和石灰、硫酸銅、水からなる殺菌剤を作り、1885年にその使用を推奨しました。この混合液はボルドー液(Bordelaise pulpe)と名付けられ、現在でも使われています。
