グルナッシュ(仏)/ ガルナッチャ(西)/ カンノナウ(伊)の起源は、イタリアのサルデーニャ島という説と、スペインという説とで対立しています。
サルデーニャ島が起源である論拠は、この地で古くからブドウが栽培されていたということですが、それがカンノナウであるという証拠には辿り着けていません。
一方、スペインが起源であるという文献は見出されていないものの、多様なクローン(亜種)があることから裏付けられるようです。
ガルナッチャは、ガルナッチャ・ティンタ(黒)と、それから突然変異したガルナッチャ・ブランカ(白)、ガルナッチャ・ロハ(灰色)、ガルナッチャ・ペルーダ(毛むくじゃら)があります。ガルナッチャ・ペルーダは、葉の裏側に生毛が生えていることから“Peluda”(スペイン語で毛むくじゃらの意味)と名付けられています。ちなみにカンノナウ・ビアンコ(白)も存在しますが、これはヴェルナッチャ・ディ・オリスターノという品種であって、広義のガルナッチャ種には属しません。
また、多様なクローンが存在することはガルナッチャに特有です。遺伝子の観点から見ても、ガルナッチャはアイレンやヴェルデホなどの古いスペインの品種との共通点があります。
このほか、ピノ・ノワール、サヴァニャン、ソーヴィニヨン・ブランといった古い品種に共通することは、多様な突然変異を経てグリやブランなどの亜種が存在しています。これらの品種には多様なクローンが存在する可能性が高く、クローンにこだわる意味も高いと思われます。
ラグフェイズでは、以下のクローンを提供しています。
FPS03:カリフォルニアのジャクソンで選抜された枝がUC Davisに持ち込まれ1966年に栽植されました。白や灰色のグルナッシュと区別するため、2022年にグルナッシュ・ノワールと改名されました。ラグフェイズはアメリカで成長点培養が行われたFPS03.1を提供しています。
Selection Matua:ホークスベイのMatheson Estateで選抜されたものが、ニュージーランドの苗木会社Riversunで母樹として管理されています。収量が極めて少なく房も小さいクローンで、品質が高いと考えられています。ラグフェイズでは、2025年春より提供開始予定です。