うどんこ病

ブドウ樹の最大の病気であるうどんこ病は、アメリカから来た病気で、すべてのヴィティス・ヴィニフェラ種に影響します。アメリカの在来のブドウ樹は長い年月をかけてある程度の耐性を獲得してきました。1845年、英国の庭師の温室に持ち込まれました。マーゲイトのエドワード・タッカーは、この病気が桃のカビにとても似ていると判断しています。ジョン・ロバートソンというアイルランド人の庭師が硫黄を使って桃のカビを抑制することに成功していたことから、タッカーも硫黄を石灰と混ぜて治療を試み、成功しました。

しかし、うどんこ病は英国全土からフランス、そしてヨーロッパのブドウ畑全体で大きな問題となりました。現在も、うどんこ病への主な対処法は硫黄です。一部の地域では、病害リスクがピークに達する時期には毎週塗布する必要があります。

アメリカおよびアジアの在来ブドウ種で、うどんこ病耐性を形成する 12 の異なる遺伝子が同定されています。Run1 および Run2 (Run は Uncinula necator に対する耐性を表す)、そしてRen1-10 (Ren はErisyphe necator に対する耐性を表す) です。これらの遺伝子を組み込んだヴィニフェラを作出する研究が順調に進んでおり、ヴィニフェラ遺伝子を高い割合で持ちながら、うどんこ病耐性を備えた優れたハイブリッドが多数生み出されています。

写真はRiparia Gloire de Montpellier。他のアメリカ産ブドウ樹と同様、うどんこ病耐性があり、台木に向いています。雑味が多く酸が強すぎるため、食用・ワイン用には向きません。

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