遺伝子情報の関連性を評価するために、多変量解析における主成分分析が用いられているようです。これをより簡便に行うために、SSRマーカーの品種間の相関係数を算出してみました。(https://vivc.deのマイクロサテライトデータをもとにエクセル関数で作成)
1に近いほど相関が高く、この値が低いほど相関は低くなります。
この結果を見ると、ベルランディエリは、リパリア(RGM)やルペストリスとは相関が低く、遺伝子構成が大きく異なっていることが分かります。
シュワルツマンと101-14は、リパリア、ルペストリスとの相関係数が高く、この2つの交配によってできたことが裏付けられています。実際、この2つの品種は、葉の形も似ていて区別がつきにくくなっています。
3306と3309は、一緒の列に植えられていたものから選抜されたもので、相関係数は高くなっています。しかし、どちらもリパリアとルペストリスの交配品種であるものの、親との相関係数はあまり高くありません。
5BB、5C、SO4は、一緒に送られきた種子を生育させて選抜されたこともあり、相関係数はきわめて高い値を示しています。しかし、親であるリパリアとベルランディエリとの相関はあまり高くありません。
片親がリパリアである101-14と1616Cは高い相関を持っています。
親と子の相関が低い組み合わせも相当数ありますが、親は北アメリカ大陸に広く分布している野生ブドウを採取して交配を行なったものであり、種は同じであってもここで取り上げたSSRマーカーとは大きく異なっている可能性があります。