シャスラはレマン湖周辺を起源とするスイスの主要品種です。名前はブルゴーニュのシャスラ村に由来しますが、非常に古い品種で、世界中で数多くの同義語で知られています。スイスをはじめフランス、ドイツ、ポルトガル、ハンガリー、ルーマニアなどヨーロッパで広く栽培されています。正式な品種名であるシャスラの最古の記録は1654年のもので、マスカットやムスカデとともに果肉が多く、甘口ワインが作られたと言われていました。
房も顆粒も中程度で、果肉は柔らかくジューシーです。早熟で樹勢は中〜強、収量は非常に多いものの結実不良により不規則になることがあります。また、マグネシウム欠乏症や茎の乾燥に影響されやすい品種です。皮が薄いため、早期にしわが寄る傾向があります。食用としても使われています。成長のサイクルが一定しているので、生育度合いの基準品種として指標化されています。
ワインの味わいはニュートラルで、アロマティックではありません。酸は控えめです。スイスでは、デイリーワインからグランクリュまで多様なワインとなります。