フランスのIFVは、チリを視察した際にメルロとして紹介されたブドウ樹の葉の形などを観察し、それがメルロとは異なることを発見しました。その品種は、かつてボルドーに植えられていたカルメネーレという品種で、その時点ではボルドーではほとんど栽植されていませんでした。
カルメネーレのSSRマーカーを確認すると、メルロとは異なりカベルネフランと酷似していることが判明しました。かつてはカベルネフランが突然変異を繰り返しカルメネーレとして進化したことがわかります。Allele 1および2の計18のマーカーのうち11が共通しています。異なるマーカーは突然変異で変化したと推察されます。
一方メルロは、カベルネフランとMagdeleine Noire des Charentesの自然交配によってできたと言われています。Allele 1では7のマーカーが共通していますが、Allele 2では1つのみです。交配時にカベルネフランのAllele 1とMagdeleine Noire des CharentesのAllele 2が結びついたことがわかります。