リースリング

Schloss Johannisberger 1999

リースリングは、白い花、白桃、アプリコット、蜂蜜などの芳香を有し、熟成とともにペトロール香を放つ高貴品種で、冷涼なドイツのライン川付近で栽培されていました。1998年にオーストリアで行われたDNA鑑定で、リースリングの親品種の一つがフランスでグーエ・ブランとして知られているホイニッシュ・ヴァイスであると判明しています。グーエ・ブランは、中世の北ヨーロッパで広く栽培されており、ブドウの評判は芳しくなかったものの、他の品種と交配されていました。リースリングのもう一方の親品種は、サヴァニャン(トラミネール)と近い品種ではないかと言われています。

グーエ・ブランとピノ・ノワールを親品種に持つ品種にはアリゴテ、シャルドネ、ガメイなどがあることは有名です。一方、グーエ・ブランと他の親品種が交配されたものには、リースリングの他、ブラウフレンキッシュ、ミュスカデルなどがあります。

中世ドイツではシャルルマーニュ大帝の命令により、温暖で珪岩の多いガイゼンハイムの南斜面にリースリングが植えられました。リースリングに特化した最初の畑で、遅摘みのブドウから甘口ワインが造られました。現在は、シュロス・ヨハニスベルクとなっています。収量が少ないリースリングは、ドイツやアルザスで最高の白ワイン用ブドウとして認められるようになりました。また、ガイゼンハイム大学は、ドイツにおけるワイン生産の教育及び研究をリードしています。

リースリングのシノニムは、リースリング・ヴァイス、ヴァイサー・リースリング、ホワイト・リースリングなどがあります。一方、ケープ・リースリング、リースリング・イタリコ、オラスリーズリング、ライナイ・リーズリングなどは、リースリングとは遺伝的に異なる品種ですが、商業目的などにより「リースリング」の名称が使われていました。

1884年にチャールズ・ウェットモアは、本物のリースリングについては「ヨハニスベルク」の単語を付属させ識別しなければならないとしました。1996年、米国のTTBは、リースリングではないブドウ品種のワインラベルに「リースリング」の名称を使用することを禁止しました。また、それまで使われていた「ヨハニスベルク・リースリング」の名称を段階的に廃止することとし、2018年には、本物のリースリングワインのラベルにのみ「リースリング」または「ホワイト・リースリング」の名称の記載が許可されています。

ガイゼンハイムでは、リースリングのクローン選抜を行っており、代表的なクローンには110、198、239があります。ラグフェイズでは、110と239を取り扱っています。

110:1982年にドイツのガイゼンハイムからニュージーランドに持ち込まれました。様々な場所に適応できます。239より収量が高く、房も大きめです。

239:1962年にドイツのガイゼンハイムからニュージーランド持ち込まれました。収量は中〜高、房は中程度の大きさで密度はばらつきがあります。

Riesling 110
Riesling 239

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