海外から苗木を輸入するに際して、輸出国で義務付けられたウイルス関連の検査があります。そのひとつが、キシレラ・ファスティドーサ(xylella fastidiosa)です。これはピアス病の病原菌を指します。媒介虫(homalodisca vitripennis)を通して、ブドウ樹の木部(維管束組織の水の通り道)に被害をもたらします。キシレラが壁孔膜を分解し、水が行き渡らなくなります。
1857年、ディズニーランド発祥の地アナハイムにミッション種のブドウ畑が造成され、100万ガロン(380万リットル)のワインを生産するに至りましたが、1885年までにピアス病によってブドウ樹の葉が焦げたようになり、半分が枯死したことで、研究の焦点となりました。2006年に、ピアス病耐性遺伝子PdR1がヴィティス・アリゾニカから発見されました。これによって、ヴィティス・アリゾニカを含むブドウ樹を交配することで耐性が保持されるものが生まれました。
詳細は、『新ブドウ栽培学』第15章に記載されています。