ブドウのリーフロールウイルスは、赤系品種では葉が褐色化し、赤白とも葉が巻く症状(そのためリーフロールと呼ばれる)が現れます。ウイルスの媒介者はコナカイガラムシで、熱処理や成長点培養などによってウイルスのフリー化をおこなうことができますが、一度感染した株は元に戻すことができません。感染するとアントシアニン濃度が低下し、総酸度は減少し、光合成も大幅に減少します。生育不良となり、樹形が崩れたり20~40%の減産となることが多いようです。
当社の山梨県の圃場ではヴィティス・ヴィニフェラの樹が多く感染し、抜根することとなりました。日本でも多くの感染が確認されているようで、検疫の意味がなくなり、植物防疫所ではリーフロールGLRaV-1、3は検査項目から除外されました。海外から苗木を輸入する障壁が低くなりましたが、クリーンでない苗木が入るリスクが増しており、複雑な気持ちです。
詳細は、『新ブドウ栽培学』第15章に記載されています。