どのようにブドウ苗を定植するかは、ブドウ畑設計時に直面する問題で、一旦決めると容易には変更できない制約です。
植樹密度は、樹間と畝間それぞれの距離によって決まります。樹間は、樹勢が強いところでは広めにし、樹勢が弱ければ狭くします。一方、畝間は利用する機械に合わせて決定し、軽トラやスピード・スプレイヤーを使う場合には2.5m必要となります。日本における一般的な棚仕立ての場合樹間×畝間=5m×2.5m、垣根は1~2m×2.5mです。ブルゴーニュのグラン・クリュでは植樹密度の下限は10,000本/haと定められ、1m×1mの樹間×畝間が実践されています。この場合、それに見合った畝をまたぐ機械、もしくは手作業が中心になります。
台木の根域は地表から浅いものが多く、植樹密度は関係ないとする意見があります。一方、ブルゴーニュでは、植樹密度を上げると根域が競合するため根が下に伸びて母岩のミネラル分を吸い上げるため密植にしていると言われます。植樹密度がぶどうの質に関係するかの議論に決着はついていません。