根頭癌腫は、アグロバクテリウムが引き起こす病害です。被害部に大きなコブが作られ、生産性が低下し寒い地方で深刻な問題となっています。感染すると、抜根する必要があります。また、汚染された土壌からアグロバクテリウムを取り除く有効な手段は見つかっていません。
対策としては、アグロバクテリウムを殺すウイルスを投入するバクテリオファージが有効とされます。ブドウの樹では、苗木を栽植する前にバクテリオファージ配合剤を根に投与することで根頭癌腫が防げます。しかしこの配合剤はまだ認可されていないため、実用には至っていません。
一方、台木を選択することでリスクを軽減することが可能です。3309Cはアグロバクテリウムへの耐性がある一方、5BBはアグロバクテリウムに感染しやすいとも言われています。このほかRGおよびRupestris du Lotも耐性があります。問題が深刻な北海道では、5BBの台木が多用されているようですが、RGあるいは3309Cによってリスクが軽減されます。