地球温暖化対策は品種?クローン?台木?

ワインの国際シンポジウムOenoviti International Symposium 2023が日本(京都・甲府)で開催された。テーマは、地球温暖化対策。栽培からマーケティングまでの広い分野から様々な試みが発表され、議論が交わされた。

私が注目していたのは、フランスのInstitute Agro MontpellierのLaurent Trregrosaの発表した、フランス各地の農業組合や政府の研究機関などが参画したワイン用ブドウの品種改良。若者の嗜好はアルコール濃度が低めの飲料に傾きつつある昨今、温暖化の進行に伴うブドウの糖度の上昇はワインのアルコール濃度の上昇につながりワイン離れに拍車がかかる。これらに対応するためにフランスの銘醸地では、糖度が上がりにくい品種の開発に力を入れている。これまでの地場品種を交配することで地域特性をなるべく生かしたものをつくり出そうと考えている。

温暖化対策として台木の品種改良は行われないのか?Laurent Torregrosa氏の答えは、台木によって発芽のタイミングを操作できるのはせいぜい2日、発芽を調整するのであれば穂木となるブドウを作出することの方が効果的だそうだ。確かに茎頂点では、サイトカイニン、オーキシンという植物ホルモンが生成され、オーキシンは根に下りてきて発根を誘引し、サイトカイニンは発芽を誘引する。発芽のタイミングをコントロールするのであれば、茎頂点の植物ホルモンを抑えなくてはならない。成木になると茎頂点は穂木に支配される。ピノ・ノワールのAbelクローンは、他のディジョン・クローンよりも収穫のタイミングが1-2週間遅れるのも一例であろう。温暖化対策で注目しなくてはならないのは穂木と言うことになる。

(写真はピノ・ノワールAbelクローンの穂先)

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