テンプラニーリョ《tempranillo》は、アラゴン州で生まれたスペインの高貴品種です。スペイン語で早いという意のtempranoを語源としますが、生育の早さとは関係ないようです。Albillo MayorとBenedictoの自然交配によってできたと推定されています。
スペイン全土に加え、ポルトガルやキプロスでも栽培されており、ポルトガルではアラゴネス、キプロスではティンタロリスと呼ばれています。
大きめの房と、皮が厚く小さな顆粒が特徴で、肥沃な土地でもよく育ちます。風や乾燥、うどん粉病に弱く、灰色かび病に強い品種です。収量制限をしないと酸が落ちてしまいます。
カシスジャムやブラックベリーの香りを有し、刺激的な甘みを伴い、余韻が長いワインとなります。熟成のポテンシャルも高い品種です。
D. O. リベラ・デル・ドゥエロでベガシシリアが作るUNICO(写真)は、テンプラニーリョ94%、カベルネ6%で作られ、スペイン最高峰のワインです。古木のみを使い、熟成期間も10年に上ります。