ヴィティス・ヴィニフェラは、-17℃より気温が下がると凍死すると言われています。ヴィダルなど耐寒性のある品種は、-25℃もしくはそれ以下まで耐寒性を備えています。弊社の山形県酒田市湯ノ台の畑は、積雪が2~4mあるのでヴィティス・ヴィニフェラが守られている一方、鶴岡市八色木の畑は地吹雪にさらされることから、今年は1103Pおよび110Rの樹の一部が凍害に遭い、枯死しました。いずれも、アメリカ合衆国南部に生息するべルランディエリとルペストリスを親に持つためか、地吹雪には耐えられなかったようです。
凍害への対応策は、カナダ・ケベック州などの生産者の知識と経験が積み重ねられています。プリンス・エドワード郡などでは当初、盛り土をして対応してきました。しかし、4月に掘り出すには労力がかかることに加え、新芽の生存率が下がってしまう問題に苛まれていたようです。この解決策として使われ始めたのが、ジオテキスタイルです。ゴアテックスを樹に巻いて対応を始めました。それでも凍害は発生するので、さらにゴアテックスと樹の間に藁を巻くことでクッションとして作用し生存率が飛躍的に向上しました。
ジオテキスタイルは霜害にも有効なようです。詳細は『新ブドウ栽培学』第19章をご参照ください。