Pinot Noir Abel Clone

ラグフェイズは、来シーズンよりAbelクローンの販売を再開します。本格的な生産はさらに翌年になりますが、ご期待ください。

ピノ・ノワールは、自然交配してからの歴史が長い品種である。エジプトを起源とする説、紀元1世紀頃のコルメラの記述がピノ・ノワールとする説など諸説あり確証は得られていない。ガロ・ロマン時代の遺跡から発掘された根から、紀元4世紀までにはコートに存在していたようだ。

昔から存在していた品種ほど突然変異の機会が多かったはずで、多様なクローンが存在するはずである。ピノ・ノワールはその代表で、カベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネに比べると圧倒的にクローン間の差異が大きいと言われている由縁でもある。

当社の販売する8種類のピノ・ノワールのクローンの販売状況によると、ポンソのクロ・ド・ラ・ロシュから選抜された777の人気が高い。しかし、果たしてこれがクローンの頂点なのであろうか?

もし、ロマネ・コンティがワインの頂点であれば、ロマネ・コンティの枝を分木したと言われるAbelクローンは、777などを凌ぐのではないか?Abelクローンは、ロマネ・コンティから盗み長靴に隠してニュージーランドに持ち込もうとした枝を、検疫官のAbelが没収して自ら増植し、Ata Rangiの畑の中核クローンとなったものである。

そのAta RangiのMcCroneピノ・ノワール2013を開けてみた。Ata Rangiは多種のクローンをブレンドするので、厳密なクローン試飲とはならないが、Abelの特徴とされる土臭さ、豊かなタンニン、ダークチェリーの香りに加えてダージリンのような芳香に満ちて美味である。

このクローンは、成熟のタイミングが他のピノ・ノワールクローンより1、2週間遅いと言われているが、収穫が遅くなる間に豊かなタンニンが成熟するのであろうか。

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