ワインの複雑さとクローンの選択

秀逸なワインの表現方法のひとつに、「複雑さ」があります。多様なクローンを栽植することで、ワインの複雑さが生まれるのではないかと考えています。

例えば、ロマネコンティの畑には100種類ほどのクローンがあると言われています。ロマネコンティのワインにも複雑さを感じますが、それは多様なクローンによってもたらされると考えることができるのではないでしょうか。

私が醸造研修をしたカリフォルニア州サンタ・ルチア・ハイランドのカラッチオリの畑は、区画ごとに単一のシャルドネもしくはピノノワールが栽植されていますが、ピノノワールのクローンが混植された区画がひとつあり、経験的にその区画が最も複雑なワインを産するとオーナーは言っています。

クローンが異なれば、芳香物質の含有量が微妙に異なってきます。また、生育のタイミングが異なるので、収穫時に適熟した果実もあれば未熟果や過熟果も含まれることになり、複雑性が生じるとも考えられます。

当社では、「どのクローンが最良ですか?」と聞かれた時に、複数のクローンを利用することで秀逸で複雑なワインが生まれる、と答えるようにしています。

関連記事

  1. リパリア・グロワールの萌芽

    台木の解説

  2. Mencia

  3. シャトー・ディケム1990

    ソーヴィニヨン・ブラン FPS 01クローン

  4. Falanghina

  5. Riparia Gloire

  6. カベルネ02クローン

PAGE TOP